古筆を読み解く問題は、
・硬筆書写技能検定の準1級および1級
・毛筆書写技能検定の準1級および1級
にて出題されます。
結論から言うとこの古筆を読み解く問題は得点源になり得る問題であり、ちゃんと対策すれば8割以上は必ず取れます。
初めて古筆に触れた初心者の方は、完全に外国語を読む感覚ではありますが、少量の基本の積み重ねで、簡単に応用が効きます。
諦めずに取り組めば、なんとなく古筆の読む”カン”が備わってきますので、ぜひ頑張りましょう。
1.そもそも古筆とは?
古筆(こひつ)とは、平安時代から鎌倉時代にかけて書かれた和様の名筆をさしていう。時にはもっと範囲を狭くしてその名筆中でも特に「かな書」をさす。単に古代の筆跡という意味ではない[1]。 また、僧による名筆は墨跡と呼ばれ区別される[2]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8F%A4%E7%AD%86
とのことです。やかましいですね。
”古筆とは、昔の日本で書かれた、かなの作品”程度の認識でOKです。
ここは試験範囲外なので、詳しく覚える必要がありません。
2.古筆初心者の方は、まずは高野切第三種に取り組もう
古筆初心者の方にお勧めなのが、高野切第三種(こうやぎれだいさんしゅ)という作品です。
お勧めの理由は、
・古筆の中でも最も現代に近い雰囲気で書かれている
・変体仮名が多用されていないし、わかりやすい変体仮名が使われている
の2点です。
つまり、読みやすい・親しみやすいということ。
最初のステップとして、まずは高野切第三種を読破しましょう。
大体8割くらい読めるようになればOKです。
あとの2割は捨てましょう。
合格だけを目指す場合、この2割にかける労力は無駄です。
ここに労力をかけるくらいなら、別の問題に労力をかけたほうが合格率を高めます。
3.古筆作品を購入する際の注意点
古筆作品が掲載されている書籍を購入する際の注意点として、
解説や技法講座が載っているものではなく、その作品のみが載っているものを購入するようにしてください。
解説や技法講座が載っているものは、掲載されている作品そのものがが非常に少なく、読む対策としては不十分です。
(これらは安いので、買ってしまいがち。)
作品のみが載っている書籍は、中古でも大体2000円~3000円します。
(↑の書籍は作品のみ載っています)
あとは、原色かな手本と呼ばれたりする細長い形状の書籍。
臨書しやすいように蛇腹状になっています。
こちらもオススメです。
(やはり高いですが)
3、慣れてきたら、高野切第一種、関戸本古今集を読もう
高野切第三種を読破できたら、次は以下2つの古筆をオススメします。
やはり価格が高い!!!
しかし合格率を高めるための投資としてガマンしましょう。
これらの古筆作品は、読む対策としても使えますし、書く対策(毛筆の2級、準1級、1級)でも使えますので、無駄になりません。
高野切第一種、関戸本古今集も、8割読めれば十分です。
決して残りの2割まで完璧にしようと思わないでください。
繰り返しになりますが、合格だけを目指す場合、この2割にかける労力は無駄です。
ここに労力をかけるくらいなら、別の問題に労力をかけたほうが合格率を高めます。
この2つは変体仮名が多用されていたり、多字連綿が駆使されていたりと、より外国語っぽい雰囲気が醸し出されてきます。
多分ここらへんで心が折れるかもしれませんが、頑張りましょう。
4.何回も読み間違えてしまう変体仮名を集計する
8割は読めるが、何回も読み間違えてしまう変体仮名が何個かあるでしょう。
(これが残りの2割に該当するもの)
例えば、
・「ん」と「も」
・「し」と「こ」
・「て」と「く」
・「へ」と「つ」
など。
字形が完全に一緒なので、これらは前後の文脈で判断するしかありません。
実際に声に出して読んでみて、違和感が無さそうなほうを選びましょう。
これで十分です。
あとは、純粋に知識不足・ド忘れパターンの変体仮名は、紙に書いてまとめましょう。
参考までに、私の場合は以下のようにまとめました
そこらへんにあった適当な反故紙(ほごし:書き損じて不要になった紙)に書きました。
キレイにまとめようとせず、とにかく記憶優先でまとめましょう。
絶対にやらないほうがいいのが、存在する全部の変体仮名をわざわざ紙に書いてまとめちゃうやり方です。
これ、すっごい効率悪いのでやめましょう。
(このやり方は、どちらかというと”仮名で創作したい人向け”、つまり超高度な練習法に近いです)
ちなみに、各変体仮名別にまとめられた辞典なるものが既に販売されていますので、こういうのも一冊あると勉強が捗るでしょう。
読めれば良いので、読む対策だけで十分なのです。
まずは読めるところまで読んで覚えて、どうしても間違えてしまう変体仮名のみ紙に書いてまとめる、というやり方が、今のところ最短かつ少ない労力で覚えられる方法だと思います。
5.実際の検定試験で出題された古筆作品の傾向
私が知る限り、
・高野切第一種(※)
・高野切第三種 (※)
・伊代切
・粘葉本和漢朗詠集
・関戸本古今和歌集 (※)
・元永本古今和歌集
・元暦校本万葉集
ここらへんしか見たことありません。
しかし、(※)がついてるものだけ読破しておけば問題ありません。
古筆を書く(臨書)問題では、出題される古筆作品が限定されているのですが、もしかしたらそれと同じ試験範囲なのかもしれません。
古筆を書く(臨書)問題は、毛筆の2級、準1、1級で出題されます。以下参考に。
※李嶠詩、風信帖、白楽天詩巻は除く
6.まとめ
もう一度いいますが、古筆を読み解く問題は大事な得点源です。ここを盛大に落としてしまうのは非常にもったいない。
8割読めれば十分合格ラインです。
8割読める状態は、ちょっと頑張れば到達できます。
でも、残りの2割まで完璧にしようとするのはマジで難易度激ムズなので、やめておきましょう。
ぜひ参考にしてみてください。







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