【硬筆・毛筆書写技能検定】【完全独学者向け】満点を目指す。旧字体・書写体の読み書きについて

全て

1.はじめに

旧字体・書写体の読み書きの問題については、

読む(常用漢字に書き直す)問題
・硬筆書写技能検定の2級、準1級
・毛筆書写技能検定の2級、準1級

書く(旧字体/書写体に書き直す)問題
・硬筆書写技能検定の1級
・毛筆書写技能検定の1級

にて出題されます。

結論、旧字体・書写体の読み書き問題は、満点を目指す気持ちで勉強に取り組みましょう。

以下、理由

・配点が100点もある
・勉強範囲が狭く、明確
・極度に難しいものが出題されない

つまり、このうえない優良な得点源ということです。

2.旧字体・書写体とはなんですか?

そもそも旧字体・書写体とはなんぞや、というお話からしましょう。

旧字体とは?

こちらのサイトをご参考ください。

旧字体と新字体?:
https://www.kanken.or.jp/kanken/trivia/category01/16060101.html

(参考)「当用漢字」「常用漢字」の歴史:
http://mitikusa.lekumo.biz/blog/2015/03/post-dc47.html

これらをまとめたものが、以下図式です。

簡単にいうと、旧字体というのは、

「戦後、それまで複雑だった字形の漢字が簡略化されたが、その簡略化される前の字」のことです。

書写体とは?

書写体とは、今の漢字辞典などには存在しない楷書の字体で、しかし書道の上では慣習的に書かれてきた楷書の字体のことです。異体字とも呼ばれています。
中国の東晋~唐にかけて完成した楷書を、日本でも奈良時代~明治になるまでずーーーーっと使い続けていました。ですので、漢字本来の形は実はこちらなんですよ。
にもかかわらず、なぜか書写体という呼び方をされて端っこに追いやられています。
※ここらへんの経緯は、準1級・1級合格のためには必要のない知識なので覚える必要ないですよ。詳しくは以下「公式テキスト」を読んでね。



参考知識として、以下くらいは覚えておくと、1級合格者として恥ずかしくないと思います。

漢字には隷書から派生した字形篆書から派生した字形の2つが存在しますが、

前者のものを書写体と呼んでいます。

後者のものを康煕字典体 (こうきじてんたい) と呼んでいます。

つまり旧字体・書写体・新字体・康煕字典体の関係性は?

まとめるとこんな感じになりました。

旧字体の書写の形・活字の形は、以下に気を付けてください。
1級の検定試験において、解答欄に記入する場合は書写の形で書きましょう。

3.旧字体・書写体の問題は、各5字ずつ問われる。

旧字体・書写体の問題は、

・旧字体 5字
・書写体 5字

問われます。

1字正解できれば10点、10字正解できれば100点となります。

実際の問題例を見てみよう

硬筆2級、毛筆2級はマークシート形式で、示された旧字体・書写体を、常用漢字の字体の中から選んで答えます。

硬筆準1級、毛筆準1級は筆記形式で、示された旧字体・書写体を、常用漢字の字体(楷書)に書き直します。

硬筆1級、毛筆1級は筆記形式で、示された漢字を、それぞれ旧字体、書写体に書き直すという問題です。

マークシート形式であればヤマカンでなんとなく当てることはできますが、準1級以上はそもそも知らなければ書き入れることすらできない難易度になっています。

いや~難しい。

3.旧字体・書写体はどれだけ覚えればいいの?

まず覚えるべき旧字体・書写体というものが、上で紹介した公式テキストに記載されています。

手引きにあるように、

・旧字体121字
・書写体201字

を読み書きできれば十分満点を目指すことができます。
(ただし、運が悪いと範囲外のものが出題される)

出典:硬筆毛筆書写検定の理論問題のすべて 103ページ
出典:硬筆毛筆書写検定の理論問題のすべて 108ページ


めんどうくさいのが、旧字体と書写体は、同じ意味でも字形が違うものが複数あります。
例えば、

旧字体でいえば、「弁」

出典:毛筆書写技能検定の手引きと問題集 129ページ

書写体でいえば、「図」

出典:毛筆書写技能検定の手引きと問題集 131ページ

つまり、
・旧字体、書写体をそれぞれ常用漢字に直す場合(2級と準1級)は、それぞれ違う字形も覚えなければならない

ただし、
・常用漢字を旧字体、書写体に直す場合(1級)は、旧字体・書写体は複数あるうちの一つの字形を覚えるだけで良い

ということになります。

4.覚え方について

やはりひたすら覚えるしかないでしょう。。。

旧字体と書写体は字形が似ているものもありますので、「あれ、これってどっちだっけ?」ってなることがあります。

ですので、できれば一つの常用漢字につき旧字体と書写体を対比するような感じで覚えると、こういったことを防ぎやすくなります。

ということで、私の場合は以下のようにエクセルでまとめて、覚えました。
毛筆(硬筆)書写技能検定の手引きと問題集より抜粋してまとめました。

一応ダウンロードできるようにしておきましたので、使ってみたい方はどうぞ。
誤字脱字はないように確認しましたが、自己責任でご利用をお願いいたします。

●PDFでダウンロード

●エクセルファイルでダウンロード


・・・書写体
・・・常用漢字
・・・旧字体
の意味

以下が編集前のデータ。
ご自分で好きなように加工したい方は、どうぞ

●CSVファイルでダウンロード

例えばオレンジ色のペンで記入して、赤下敷で消す、という覚え方もよし、
都度印刷して記入するのも良し、使い方自由です。

例えば「愛」は書写体しかないので、旧字体のほうはスラッシュで消す、みたいな使い方をします。

5.まとめ

繰り返しになりますが、この旧字体・書写体の問題は必ず満点を目指す覚悟で絶対に覚えましょう。
ここを落としてはなりません。

・配点が100点もある
・勉強範囲が狭く、明確
・極度に難しいものが出題されない

以上です。

コメント