
最近購入した書籍を紹介します。
1.「徒然草を書く」 津田静鳳先生
つれづれなるままに、日暮らし、硯(すずり)に向かひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。
なんとなく聞いたことがある文章ですよね。吉田兼好による随筆です。
吉田兼好は鎌倉時代~南北朝時代にかけて、つまり1300年前後に活躍した人物とされています。
文章を書くのが上手だったので、他人に頼まれてラブレターを代筆したのはいいものの、依頼者の恋は成就しなくてブチ切れられたという伝説があるようです。
随筆(ずいひつ)とは、心に浮かんだことや見聞きしたことをそのまま書く文体の作品のことです。
要はFacebookに書く内容と同じレベルの内容です。
ただ、今でいう”バズるほどの内容”だったので、日本三大随筆のひとつとなっています。
こちらの本は、津田静鳳先生が小筆で
・徒然草の原文を変体かなを交えた文章で
・徒然草を現代語訳にした文章で
書きあげられています。
次元が違う完成度です。
津田静鳳先生は狩田巻山先生に師事されていたとのことで、とてもやさしい雰囲気で書かれています。
見ててほっこりするような。
こちらをお手本にして練習していると、いつのまにか数時間も経っていたなんてザラです。
2.「ここから始める書道入門」 田中鳴舟先生
書道を始めて4年しか経っていない私は、まだまだ初心者。
こういった入門本で勉強すると、新しい発見がよくあります。
筆遣いだけでなく、漢字をキレイにみせるための間架結構の仕方ついて、理論的に詳しく学べます。
「どうすれば上手に見せることができるのか」という疑問を解消してくれるでしょう。
私ですら圧倒されるボリュームですので、田中鳴舟先生(日本ペン習字研究会)の書風が好きな方は大満足の一冊になると思います。
いきなり全てを覚えようとするのではなく、やる気が湧いたときに、嫌にならない程度に覚える、という進め方がよろしいかと思います。
3.「美しい毛筆の書き方」 宮澤正明先生
学校の書写の教科書(光村図書)のお手本を揮毫している先生で有名な宮澤正明先生の本です。
基本点画について詳しく学びたい方にはオススメの一冊です。
宮澤正明先生の書風は、どちらかというと正方形の中に収まる雰囲気で、顔真卿の肉厚&ドッシリ&不均整の雰囲気を排除した感じです。
まさしくお手本中のお手本、という印象です。
4.「硬筆書写書写技能検定 公式テキスト」「毛筆書写技能検定 公式テキスト」 日本書写技能検定協会
日本書写技能検定協会による待望の新公式テキストの販売ですよ。
さっそく中身を拝見したレビューを。
まず、それまで出版されていた「手引きと問題集」シリーズと比べると、この公式テキストは過去問が付録されていません。
ですので、過去問を期待して公式テキストを購入することはオススメしないです。
そうすると、過去問の入手方法は今のところ、検定協会の公式HPから直接購入するか、狩田巻山先生の「硬筆書写技能検定 〇級の合格のポイント」シリーズでしか入手できなくなりました。
(中古の本を購入する方法もありますが、探すのが大変ですよね)
過去問集みたいなものも販売してくれると、受験者としてはうれしいんですけどね。
毛筆の公式テキストでは、古典作品の紹介ページ(図録)が削除されてました。
これもちょっと残念ですね。
古典作品を見ているときのワクワク感が減っちゃっいました。
「こんなのがあるんだ~キレイだな~、2級以上になると、こういうのを勉強するんだ~」
みたいな、夢が膨らむあの感じが無くなっちゃいました。
他の書籍で対応するしかないですね。
次に、合格答案例の一例が少し更新されました。
全部じゃなくて、少しです。
例えば、硬筆・毛筆1級の、三体の答案例が更新されています。
驚くほど作品の完成度が高すぎるので、こちらは恐らく中央審査員レベルの方が書かれたと思います。
(硬筆のほうは福島先生?毛筆のほうはどなただろうか。)
三体だけでなく他の1級の問題も、答案例書いちゃえばよかったのに、と思いました。
地味にうれしいのが、硬筆書写検定で出題される問題の解答枠(罫線)の寸法が書かれていたことです。
解答枠の寸法が書かれていれば、自分でその寸法の枠を書いて、普段から練習することができますよね。
少々面倒くさいですが、実はこの寸法を頭の中に入れておくと、上達が早くなるのですよ。
解答枠の寸法、みなさんは意識していますか。寸法を制するものは試験も制します。
うれしい付録。変体がな一覧の揮毫者は・・・
付録に変体がな一覧表があるのですが、それを揮毫された方は、中央審査員の加藤先生の雰囲気があります。
もし違かったらすみません。。。すっごい加藤先生っぽいんだよなあ。
ということで、これをお手本にして普段から練習することもできますし、変体がなを暗記するのにもオススメです。
平形先生著の「手書きの常識」から、おいしいところを引用
平形先生著の「手書きの常識」から、すごい美味しいところが引用されています。
篆書~楷書の特徴を比較したものだったり、6級~1級の立ち位置(実用性~芸術性)を図式化したものだったり。
総評・・・初心者でもわかりやすく、とにかく視点を下げることに成功した一冊
初心者だけでなく、1級(指導者レベル)合格後、さらなる研究にステップアップしてもらうための情報もしっかり散りばめられています。
よく見ると、表紙のデザインの雰囲気も良いですよね。
ついつい中身を見たくなってしまうようなデザインというかなんというか。
今までの検定協会のテキストって、ちょっと堅苦しかったので、それも改善されましたよね。
すっごい上から目線で申し訳ないのですが、検定協会もようやく変革が始まったのかもしれません。
時代にあったものを提供していかないと、いつか廃れちゃいますからね。。。。


