生徒の作品を添削するときに、
「この横線・縦線をもっと長く、短く」
「もっと太く、もっと細く」
「もっと大きく、もっと小さく」
というような、お手本と比べてただ事実を指摘するだけの添削は、あまり有効ではない添削と思います。
もう一段深く掘り下げて、なぜそうなのか?ということもセットで指導してあげると、より有効な指導となります。
「字には基本的には主役の点画、わき役の点画が存在していて、主役を目立たせて、わき役を抑えてあげないといけない」
「この横線を長くしてあげることで、字のシルエットがひし形になって、それがキレイに見える要因になるよ」
「このパーツをもっと右に寄せてあげることで、三角形のシルエットになって、それがキレイに見える要因になるよ」
などなど。
三角形やひし形がなぜキレイに感じるのか?というのは、それは人間の遺伝子に刻まれた美的感覚がそう感じさせるからという答えになるでしょう。
例えば人間は黄金比(1:1.618)がキレイに感じるようになっています。それに近い感覚でしょう。
キレイな字は感覚で書くものではなく、ある程度の理論(間架結構法)等が存在します。
この理論を覚えることで、お手本なしでもキレイな字が書けるようになるということです。
「お手本があるとキレイに書けるけど、お手本なしだとキレイに書けない」
こういった人は、感覚だけを頼りに書いている人です。
もし書道教室やペン字教室に通っている方で、事実だけを指摘する添削しかしない指導者のもとで習っていたら、いつまでたってもお手本から脱却できないと思います。
書道教室やペン字教室、もっと解釈を拡げると、”上達をさせる系の教室”の指導者に課せられた使命は、一刻もはやくその人を1人立ちさせることです。
生徒がアウトプットする表面的なものを添削するのではなく、そのアウトプットのベースにあるその人の”物事の捉え方”や”物事の考え方”を伝授することがとても重要だと思っています。



コメント