2018年頃、硬筆準1級の合格を目指していたとき、書写検定協会が主催する地区講習会に定期的に参加していました。
東京の講習会に参加したり、愛知の講習会に参加したりしていまして、今回ご紹介するのは確か愛知の講習会に参加して、第6問掲示文の添削を受けたときの答案です。
確か桃花会の先生が添削を担当されていたと思います。
赤コピックでビシっと一発でお手本を書かれる姿に憧れていました。
当時の自分の字を見ていると、本当に下手くそだなぁと思います
点画のひとつひとつが洗練されておらず、ただの棒を書いているだけです。
それもそのはずで、当時は点画に対して興味がなかったので、表現できるものはただの棒になってしまうわけです。
字形の組み立て方も興味がないといいますか、関心がない、それが大事とも思わず、自分が勝手に想像する「なんとなくかっこ良い雰囲気」で書いていました。
添削いただいたものをいくつかご紹介したいと思います。
うかんむりを大きく
「室」の強調画は、うかんむりです。
「土」の横画を一番長くしたい気持ちに駆られますが、うかんむりよりも長さは控えめにしてあげます。
ちなみに、青ボールペンで「ウかんむり大きく」という文言は、添削していただいて自分の席に戻った後、具体的に何を指摘されたのかを思い出して、このように自分で書いていました。
へんとつくりはぶつからない
「講」「場」のへんとつくりですね。
ぶつからないように書くというのは、これは基本中の基本なのですが、当時は全くできていませんでした。
そして今、書いていただいたお手本の「場」をよく見てみると、青矢印で示した箇所の縦画が、細い・太いのバランスになっていることに気づきました。これは字形を立体的に見せるテクニックです。
当時の自分だったら絶対に気づかないです。
つまり、どんなに素晴らしいお手本があったとしても、自分でそれに気づくことができなければ、その技術を吸収することができず、吸収できないということは、表現することもできないというわけです。
こうした気づきを一つ一つ積み重ねていくことで、上達の階段を確実に上っていくことができます。
ちなみに、この気づきを資料化したのが「硬筆1級 第2問 楷行草の頻出語句のお手本+お手本の見方マニュアル(おまけ)」のお手本の見方マニュアルです。
横画は、反る・直線・伏せる
横画というのは全てが直線的なものではなく、場合によってはやや反り気味に書いたり、伏せ気味に書いたりします。
当時は、横画はすべて直線的に書いていたので、字が非常に硬い表情になっていました。
なんというか、字が字ではなく、記号?みたいに見えてしまいます。
例えば「三」であれば、1画目が反り、2画目が直線、3画目を伏せます。
「二」であれば、1画目が反り、2画目を伏せます。
すごいざっくり言えば、短い横画なら反る、長い横画なら伏せる、といった感じで覚えておけば良いです。(そうじゃない場合もあります)
あとは、ペン字においても横画の起筆に、斜め45度の打ち込みをほんのり加えてあげると良いです。
プロがいう「ほんのり」と、一般の方の「ほんのり」とでは大分差があるのですが具体的にいえば、掲示文の字粒でいえば、感覚的には3ミリ以内かなと思います。
「0(ゼロ)」は下から書く
「0(ゼロ)」に書き方があったなんて知りませんでした。
「風」は引き締めるように
これは嵐の例ですが、「風」の部分の特に2画目、縦画をひきしめるように書いてあげます。
「気」の4画目も同様ですね。
これは、その字に使われている点画の種類がちゃんとわかっていなかったり、そもそも点画の種類すらも知らない場合に、このように書きがちです。
ちなみに「風」の3画目は、横画で書いても、左払いで書いてもどちらでもOKです。
ちなみに私のメモ書きの「左から右でもOK」と書いてありますが、「右」の書き順が多分違う気がします。
「五」の2画目は斜めに
恐らく指摘されたのは、「五」の2画目は斜めにしなさいということだと思います。
「王」みたいに、縦画をほぼ真っ直ぐに書いてしまっています。
お手本の「五」の1画目の横画の起筆が、非常に打ち込みを強く打たれていますが、恐らく、こうでもしないと気づいてくれないので、ここまで強く書かれています。
(それでも当時は、この打ち込みに気づいていませんでした。というか、他のことを見るのにいっぱいいっぱいでした。)
指摘されたことを一つ一つ確実に吸収していけば、自分の字は変わっていきます。
指摘されたことが吸収できなければ、いつまでたっても自分の字は変わっていきません。
もちろん、そのとき指摘されたもの全てが吸収できるわけはなく、人によって吸収しやすいこと、吸収しづらいことがあるので、そのとき吸収できるものは積極的に吸収していきたいです。
ちなみに私の場合、横画の反る・伏せるがなんとなくできるようになったのは、2019年〜2020年あたりの、硬筆1級合格したあたりです。
ちゃんとできるようになったのは、毛筆1級も合格して、さらにそれからなので2021年あたりからだと思います。
それぐらい、横画の反る・伏せるは難しいです。
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