普通、書道教室や習字教室と呼ばれるところでは、どこかの書道団体に所属していて、その会派の支部として教室を運営することがほとんどです。
そしてその教室の先生は、その会派が発刊するお手本(競書誌)を生徒に書かせて、指導する形をとっています。
私は教室の場合、書道団体に所属しておらず、完全に独立して運営しています。
一般的には結構珍しいパターンです。異端ともいうかもしれません。
なぜ完全に独立してやっているか?
それは、競書誌から感じる”宗教性”と”利益至上主義”に対して、抵抗を覚えるからです。
宗教性について
「競書誌に載っているお手本以外の書風は認めませんよ」というスタンスは、私の性格には合いません。
「私の考えこそ正義で、他は悪だ」という思考は、”自分と違う価値観は徹底的に否定する”ということを冗長します。
価値観は人によって違うことが当たり前で、重要なのはその互いに違う価値観を認め合うことです。
Aという考え方もあれば、Bという考え方もある。これらをすり合わせてCという考えを生み出すことが、人間だけにできる長所だと思います。
そういった長所を活かさず、わざわざ閉鎖的に物事を判断するということは次元の低い行動としか思えません。
利益至上主義について
なぜそんなにお金がかかる・・・??というようなことがたくさんあります。
昇段試験料、お手本代。看板代金、雅号代金。そして昇段のタイミングは年に2回やら3回やら。ひどいところだと年に1回。
普通に考えて、そんなにお金かかることじゃないし、忙しくもない。
どうしてそんなにお金がかかるのか説明を求めたら、
「そんなことを聞くなんて非常識だ」
「そんなことを問題にしている人なんで他に誰もない」
「嫌ならやめていい」
と、まるでお話にならない。
生徒さんは言い方を変えればサービスの消費者であるので、消費者に対してしっかりお金の説明ができずにはぐらかすということは、「何かやましいことがあるんじゃないか」と疑われてしまって当然ですよ。
お客さんに不信感を抱かれた時点で今後の取引は不成立になるのですが、なかなかそうはならないのは、書道教室という特殊なサービス業(崇拝されるべき存在、逆らえない存在というイメージ)に助けられているからだと思います。
そんな異端な思考を持っている私が唯一認めた団体
それぞれ違う書風を持つ書道団体が合体して受験者の審査にあたるのが、一般財団法人 日本書写技能検定協会が主催する硬筆・毛筆書写技能検定試験です。
例えば、一つの書風をレーダーチャートで示した時、ある一つの項目に尖りを示すのが普通です。
日本書写技能検定協会の審査は、様々な書風の平均値をとるので、以下のようなレーダーチャートになります。
尖りが消えて、丸に近づきます。
どこにも尖りを示さず、丸を目指そうとするその姿勢・考え方を私は支持したいです。
あとは、どれだけ丸に近づけるか、丸を大きくするか、ということを目指したいですね。
最後に、利益至上主義ではない点。
これは以前の記事でまとめたので、そちらをご覧ください。
コメント