2022年3月3日追記
書検ニュース117号の”重要なお知らせ”欄に、
顔料マーカーであれば「水性・耐水性」の別を問いませんので、今後は水性顔料マーカーが使用可能となります。
と記載されておりました。
プロッキーは水性顔料マーカーですので、使用可能となります。
これで公式に認められました。
2022年1月26日追記
検定協会に電話で確認したところ、耐水性顔料マーカーであるプロッキーは使用してOKという回答をいただきました。ただし、検定協会の職員と審査員の間で、使用して良いかどうか意見が分かれているようです。意見を統一するために現在もろもろ進めているようなので、検定協会からの正式な発表を待ちましょう。
2021年5月31日追記
以下記事にて、硬筆書写技能検定の掲示文の作品を仕上げる際は”プロッキー”をおすすめしていましたが、どうやらプロッキーは使ってはダメな筆記具に分類されるようです。掲示文の作品を仕上げる際は、油性マーカーと呼ばれているものを使用してください。
間違った情報を発信してしまい申し訳ありませんでした。

硬筆書写技能検定3級、準2級、2級、準1級、1級の第6問は掲示文を体裁よく仕上げなさいという課題が出題されます。
使用する筆記具は、耐水性顔料マーカーもしくは油性マーカーでなければなりませんので、注意が必要です。
(耐水性顔料マーカーや油性マーカーでも、先が細すぎるサインペンはNGです)
さて、受験する人ほとんどが経験することだと思うのですが、「どのマーカーにしよう」と悩むことが多いですよね。
私もさんざん悩みました。
私の場合、
3級受験時はゼブラ 油性ペン マッキーノック 細字 黒
2級受験時はコピックチャオ黒
1級受験時は三菱鉛筆 水性ペン プロッキーツイン PM150TR.24
を使用しました。
受験する級すべて別のマーカーを使用しました。
これは意図的にそうしたわけではなく、そのときの自分の実力がこの筆記具を使用させました。今でしたら実力ももう少し上がったので、どのマーカーでも問題なく書けると思います。
まずは耐水性顔料マーカーと油性マーカーの違いを知る
まずはどちらも、紙に書いたときに、その後水に曝されてもにじむことがありません。
(水性染料という名称ですと水に曝されるとにじみます)
次に、紙に書いたときのにじみについて。
基本的に耐水性顔料マーカーは紙に書いてもにじみません。
油性マーカーは紙に書くとにじむことが多いです。
耐水性顔料マーカーは、新品開封の状態で表現できる線質と、やや使い切ってきた状態の線質を比較すると、ほぼ変わらず、にじみのないシャープな線質で書くことができます。
油性マーカーは、新品開封の状態はかなりにじみ、しばらく使っていくと段々よいにじみ感で書きやすくなり、やや使い切った状態だと若干カスレが出てきます。
この「にじみ」を上手くコントロールできる方かつ点画には太い・細いがあることを知っていて表現できる方は、油性マーカーを使うことをオススメします。 (恐らく、この時点でかなりの上級者だと思いますが)
「にじみ」を上手くコントロールできず、点画に太い・細いを知らないもしくは知っているが表現できない方は、耐水性顔料マーカーをオススメします。
ちなみに私のこのオススメの基準は、「試験本番において、ものすごい上手に書けはしないが、致命的な失敗もしない」という基準でオススメしています。
油性マーカーの面倒くさいところは、なんといっても、にじみの程度がマーカーの使用具合によって変化するところなんですよね。
なので、人によっては新品のマーカーを使用する前、適当な線をガーーーーっと書いてある程度インクを消費させて、よいにじみ感の状態にしてから試験本番に挑む、そんな方もいらっしゃるようです。
私はそういったことが面倒くさく感じるタイプだったので、1級受験時にはプロッキー(にじまない耐水性顔料マーカー)を使用しました。新品プロッキーで挑みましたが全くにじみなし、シャープな線質。
練習していたときと同じ感覚で試験に挑めました。
試験本番で大切なことは、「少しでも悩みを抱えないようにする」ことが大事だと思います。
なので、にじんだらどうしよう、と悩むくらいだったら、最初からにじまないものを選択するほうが精神的にも良く、その悩みに割くリソースを別の事に回すことができるのです。
油性マーカーはコピックチャオ?普通のマーカー、どちらが良い?
初めに、コピックチャオ(以下コピック)は筆のような書きぶりで書ける筆記具で、硬筆書写技能検定の第6問において、検定審査員すらオススメしている筆記具となっています。
しかし、地方審査員より上位の中央審査員のとある方は、コピックのことをあまり良く思っていないようです。
「硬筆の試験なのになぜ毛筆のような書きぶりにしてしまうのか」とのこと。
確かに言わんとすることはわかります。
ですので、コピックを使う場合は注意しましょう。
一応検定協会的にはコピックは使用OKと聞きました。
さて、コピックと普通のマーカー(先が丸くなっている従来のもの)はどちらが良いでしょうか。
私は、筆っぽさをしっかり表現できるのであればコピックをオススメし、筆っぽさを表現できない場合は普通のマーカーをオススメします。
筆っぽさが表現できないのに無理やりコピックで書くと、それは本当に頼りない線質となってしまい、字形の乱れ・字粒の不均一となってしまう場合があります。
1級レベルは、受験者を落とすために重箱の隅をつつくレベルで粗を探し、そこを減点してきます。
粗が目立ってしまうのであれば、粗が目立たない普通のマーカーを使用することをオススメします。
(とはいっても、第6問の掲示文で重要なのは全体構成なので、全体構成がしっかりしていれば、よほど字形が乱れてなければ合格ラインです)
まとめ「上手に書ける、というよりかは失敗しない筆記具」という基準で選ぶ
同じことの繰り返しになりますが、私のこのオススメの基準は、「試験本番において、ものすごい上手に書けはしないが、致命的な失敗もしない」という基準で筆記具を選んでいます。
1級において、すごい上手に書けた!は、加点に限界がありますが(大体1問あたり100点満点中の92点が限界)、ちょっと失敗しちゃった!は信じられないぐらい減点されます(恐らくマイナス4点~3点。できれば1問90点はとりたいのに、この減点。)。
どんなに上手でも、100点まで加点するのは難しいようなので、それならどれだけ減点されないように作品を仕上げるか?という視点が重要になってきます。
これは普段の練習でも同じで、ある程度上手に書けるようになったら、更に上手さの高みを目指すのではなく、一度自分の作品を振り返り、自分の中の悪い箇所・悪いクセを徹底的に潰す練習に注力したほうが、試験の合格率を上げます。
「ものすごい上手というわけでもないが、変な失敗もしていない」という状態を目指しましょう。
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