生徒さん5名、硬筆準1級、硬筆1級、毛筆1級合格!!おめでとうございます!!!

令和5年度第3回硬筆毛筆書写技能検定試験において、セカンドオピニオンコースを受講されている当教室の生徒さん5名が、硬筆準1級、硬筆1級、毛筆1級に合格しました!おめでとうございます!

一人目の方 硬筆準1級 合格

こちらの生徒さんは2023年3月頃にご入会いただいたオンラインの生徒さんで、2023年1月の試験で硬筆2級に合格をされたあと、硬筆準1級・1級を目指すにあたり、独学では厳しいとお感じになったようで、私の教室にいらしました。

最初は体験レッスンから始めて、その際に基本的には準1級や1級の三体の問題をお送りいただくようにしているのですが、楷書と行書の書きぶりや字形は、我流を感じさせない書きぶりで、自信をもって書かれていたのがとても印象的でした。
しかし草書に関しては本当に初めてで、完全に初心者からのスタートだな、という印象でした。
ですので、草書の特徴について、特に重点的にレッスンをしてまいりました👇👇

ほんの一部

また、硬筆準1級から第5問の自由作品という課題が出題されるので、これについても、どのように書けば審査員ウケが良いのかというのを重点的にレッスンしてきました。
最初は現代詩で練習を進めていただいていたのですが、「もしかしたら楷書体のほうが得意かも」と思い、途中で漢詩に方針転換をしました。
すると、やはり漢詩のほうがお上手でした!とても素晴らしいものをお書きになられておりまして、今回の試験では漢詩を選んで書いていただきました。

第3問縦書きや第4問横書きは、どちらかというと得意な印象を受けましたので、そちらはあまり時間を割きませんでした。
第2問の三体を練習していれば、勝手に第3問と第4問も上手になっていくので、第2問のほうに時間を割いたという理由もあります。

第6問の掲示文もどちらかというとお得意な方で、割り付け方はバッチリ、字形もバッチリ、字の大きさもバッチリ決めていらっしゃる印象でした。

試験当日はたくさんやらかしたようで、三体で1単語をすっとばしてしまったり、漢字の書き方を間違えてしまったりなど、減点される要素をあったようです。
しかしそれでも合格されたということは、それ以外の箇所は問題なく準1級の仕上がりに到達できていたということだと思います。

約10ヶ月ほど毎月レッスンを実施してきまして、草書や自由作品が全く書けない状態から、本当によく硬筆準1級レベルまで実力を伸ばされたと思います、本当におめでとうございます!!

現在は硬筆1級の合格に向けて、練習に取り組んでいます。

二人目の方 硬筆1級 合格

こちらの生徒さんは2022年2月頃にご入会されたオンラインの生徒さんで、私の生徒さんの中でもちょっぴり古参の生徒さんです。
別の書道団体に長く在籍されていて、そこでは既に師範をとられている状態でした。
更に腕を磨くための一つの手段として、硬筆準1級・最終的に1級の合格を目指す、というのが目標でした。

これまで競書誌メインで普段の学習をされていたということで、自運で書く機会があまりなかったということですが、体験レッスンの際に提出いだいたものを拝見してみると、しっかりと所属団体の書きぶりの特徴を理解して書かれている印象がありました。

話は逸れますが、師範をとっているのに、自運で書くときに自分の所属団体の書きぶりにならない方がいらっしゃるのですが、それはおそらく、自分の所属団体の書きぶりにそこまで思い入れがない方というか、嫌いじゃないけどそこまで好きでもない(あまり興味が無い)、という方なんじゃないかな、と思います。

所属団体の書きぶりが好きであればあるほど、やはり自運のときも、同じような雰囲気になるはずなんですよね。

こちらの方は、そういった思い入れが特に強い印象を受けたので、なるべくその書きぶりをいじることなく、1級の合格まで導いてきた経緯があります。
何がその団体の特徴の書きぶりで、何が我流の書きぶりで、何が検定試験ウケの良い書きぶりなのか、このバランス感を保ちながら教えるのがなかなか難しかったですが、私もレッスンをしていて、勉強させていただく機会が多かったです。

さて、最初に硬筆準1級の合格を目指したのですが、ご入会4ヶ月後、2022年6月の試験であっさり合格をされまして、そこから1年後の2023年6月の試験で硬筆1級を受験したのですが、残念ながら不合格となってしまいました。

正直このときに1級合格するかな、と思っていたのですが、試験中に明らかなミスをしてしまったようで、それが原因かどうかはわかりませんが、そういったこともあって不合格となってしまいました。

それから約半年間、既に合格レベルに達していらっしゃるであろう状態から、さらに腕に磨きをかけていただき、2024年1月の試験で、見事合格をされました。

レッスンの回数、約50回!!努力の権化のようです。

さて、1級合格までの道のりは決して平坦なものではありませんでした。
ご本人的にはSNS等をご覧になって、色々と思うところがあったようですが、しっかりと自分の中の美の価値観というものに対して、自信を失うことなく、それを信じてやってこられて、最終的に1級に合格することができたという現実は、おそらく「安心した」という気持ちのほうが強かったんじゃないかなと思います。

本当におめでとうございます。
こちらの方は、理論と実技を同時にされて合格をされておりますので、表彰の選考対象となります。
結果が楽しみですね。

三人目の方 硬筆1級 合格

こちらの生徒さんは、セカンドオピニオンコースの動画添削のみを受けられてこられた生徒さんです。

硬筆1級の合格を目指しておられるということで私の教室にお問い合わせがあり、2023年2月から動画添削の利用を始められまして、最後に添削をしたのが2024年1月なので、10回添削を実施してきました。

その間、2023年6月、11月と、硬筆1級を受験されましたが、不合格。

ご本人の書きぶりは、どちらかといえば字形の組み立て方や字の大きさ、余白の取り方は悪くはないのですが、その魅力を完全に打ち消すどころか大きくマイナスしてしまっている要素がところどころ散見されまして、それをひたすら直していったようなレッスンでした。

つまり、良いところはより良くして、悪いところは普通レベルに戻して、みたいなイメージですね。

具体的に足を引っ張ってしまっている要素は、例えば我流の崩し方になってしまっていたり、硬い雰囲気になってしまっていたり・・・・。挙げればキリがないといったら大変失礼なのですが、なんというか、すっっっっごいもったいない!!!という感じだったんですよね。

毎回の動画添削で、かなーーーーーーーーーり厳しいことをズバズバと切り込んでいったのですが、それに挫けることなく、ご本人は常にポジティブ・前向きな発言をされているのが印象的でした。

厳しいことを言うのは、相手が憎いからではなく、本当に1級に合格をして欲しいからだし、それをしなければならないことの重要性を説くために厳しく言わなければ伝わらないんですよね。

ただ厳しいことばかりだと成長している実感が湧かずモチベーションが下がるかなと思いましたので、良いと思ったところはしっかりと良いですよ、と拾っていました。

最後に添削をした2024年1月の添削では、これまでの強いクセがほとんど無くなり、「もしかしたらいけるかも?」と思い、今回合格されました!!!!!!!!!!!!

試験終了後にご本人からメールをいただきまして、「試験中、先生の動画が脳内再生された」「清々しい気分で試験会場を後にした」とおっしゃっていたのが印象的でした。

本当におめでとうございます!!

四人目の方 硬筆1級 合格

こちらの生徒さんは、2023年12月にオンラインで体験レッスンを1回実施しまして、試験直前の2024年1月に、メールで添削を実施した生徒さんです。

所属団体で長く学ばれていらっしゃったようで、正直私の教室にいらっしゃる時点でかなりお上手でした。

しかし所属団体では書道のほうを中心に勉強をされていて、硬筆のほうは独学だったということで、更に驚きました。

2023年12月にいただいた問い合わせのメールは以下の通りで、11月の試験では
・第2問 草書
・第3問 字形
・第5問 全体構成
・第6問 全体構成
の4つも指摘が入っておられたそうです。

4つも指摘が入っている状態から、たった1カ月半ほどで合格レベルまで実力を伸ばすことができたのは、ご本人のそもそもの実力に高いものがあったということと、とにかく私の指摘したポイントを忠実に守って猛練習をされた、この2点が理由かなと思います。

たまに、こういった短期間の練習で合格できてしまうような方がいらっしゃるのですが、こういった方はそもそも書体の特徴の理解だったり、字形の組み立て方だったり、線質などが既に1級合格レベルに到達されていて、あとはそのほかの残り少ない要素を直すだけ、というタイプなので、短期間練習すれば合格できるほど、1級合格は甘くないです。

つまり、習得するのに時間がかかる部分は既にご本人の努力で習得されていて、習得するのにそこまで時間がかからない部分を、今回私が指摘したことで、1級合格に結びついたということです。

とはいうものの、本当にすごいですよね、すごい努力をされたと思います。
おめでとうございます!!

5人目の方 毛筆1級 合格

賞状は後日お送りいただく予定です。

こちらの生徒さんは、2022年の令和4年度第1回の試験で、硬筆1級に合格した生徒さん(5人目の方)なのですが、硬筆1級合格後に毛筆1級の勉強を独学で続けておられて、最終調整で2024年1月中旬ごろにお問い合わせがあり、1回レッスンを実施いたしました。

その際、参考にお送りいただいた直近の書写能力診断テストが、535点が合格点に対して500点!!という結果で、逆にとても驚いたのですが、なぜか規定違反として判定されてしまったものがあったようで、それさえなければ528点〜530点ぐらいの点数でした。

点数だけ見れば、あと2週間で合格点まで実力を引き上げるのはなかなか難しいのですが、お送りいただいた答案を拝見すると、👆の4人目の方と同様、やはり書体の特徴の理解だったり、字形の組み立て方だったり、線質などが既に1級合格レベルに到達されていて、あとはそのほかの残り少ない要素を直すだけ、というタイプな方でした。

本当はあと2週間でどうにかなる点数ではないことがほとんどですし、合格点に到達していたとしても試験本番では不合格になることだって全然あります(540点超えていても不合格になるのは不思議なことではない)

さて、この1回のレッスンで何とか逆転合格まで導かなければならず、ご本人の努力も必要ですが、指導する側にも神の一手のアドバイスが必要です。
大きくを点数を変えることができる!と思ったのは、第5問自由作品です。
当初は、漢字5文字・行草で考えていたようですが、完全に足を引っ張る仕上がり感だったので、漢字14字・楷書体で挑戦していただくことにしました。
レッスンを実施したあとにも、一応宿題という形で、漢字14字・楷書体の作品を何回か仕上げていただいて、それをメールで送っていただき、アドバイスをし、試験ギリギリまで最終調整を実施しました。
試験直前には、何とか合格がもらえるぐらいのクオリティまで仕上げてきたので、やはり元々の実力がお有りだったからこその対応力かなと思いました。

という感じで、もちろん第5問以外の問題も、細々なアドバイスをさせていただきましたが、それを全て修正されて、今回見事合格をされました。本当におめでとうございます!!

以上となります。

今回の試験の指導を通して、私の至らなさも痛感いたしました。
もっとこういうアドバイスをすればよかったなぁ〜と、反省がたくさんあります。
やはり1級は、よくわからない現象が起きることがよくありますね。

よろしくお願いいたします。