私、書体の中で楷書が一番難しいと思うんですね。
理由は、変な楷書を書いちゃった場合、初心者の方でも違和感を見つけることができるからなんですよ。
違和感なく書くためのハードルが高すぎるんです、楷書は。
一方、初心者の方にとってチンプンカンプンなのが草書ですよね。
書道の展覧会で展示される作品は、大体が行草作品(行書と草書が混じった作品)です。
鑑賞してみてどうでしょうか。「わかんないけど、なんかスゴイなぁ~」という感想しか出てこないですよね。
実は草書も相当難しいんですが、違和感なく書くためのハードルがものすごい低いです。
この違和感なく、というのは、初心者の方が鑑賞した場合です。
そもそも知識がないので、そこに違和感があるかどうかなんて、わからないのです。
一方、それなりに経験がある人は、おかしい草書を鑑賞したとき、「ちょっとお勉強が足りない草書だな」と、見抜くことができちゃうのです。
楷書における違和感とは?
例えば、以下の例とは違うことをやっていると、違和感が発生します。
間架結構や肉の付き具合、字形のシルエット
接筆の面・・・例えば、「口(くち)」は、左下が下方向に少し出て、右下が右方向に少し出る。
等間隔の面・・・例えば、「書」は、横画を書いていく場合、全てが同じ間隔になるように書く。
点画の反り・・・例えば、「三」は、1画目が反り、2画目がまっすぐ、3画目を伏せる。
シルエット・・・例えば、「目」は、縦長になるように書き、「女」は、横画が一番長くなるように書く。
起筆、送筆、収筆
(漢字の場合)
起筆・・・作るところには作り、作ってはダメなところには作ってはいけない
送筆・・・糸をピンと張ったような、張り詰めた雰囲気
収筆・・・しっかり収筆する。
違和感が発生する時は、楷書の知識不足と、楷書を書き慣れていないとき
楷書の知識不足というのは、先に挙げた例で、”楷書を書き慣れていない”というのは、起筆・送筆・収筆、そして基本点画の完成度です。
起筆・送筆・収筆、基本点画が洗練されていればいるほど、違和感が限りなく消失していきます。
隙のない楷書は、字に宿るのか?体に宿るのか?
なに言ってだこいつ、という”やる夫”のAA(アスキーアート)は省略しますが、これ、伝わる人いますかね・・・・。。。
隙がなく違和感が全くない楷書というのは、どういう過程を経れば、そこにたどり着くのだろう?というお話です。
正しい運筆法、正しい姿勢を守っていればそこにたどりつくのか?
もしくは、それ(運筆法や姿勢)は守らなくていいから、まずは自分が書きやすい動作で、自分が理想とする字を追求していけば、そこにたどりつくのか。
初唐の三大家とか、どうしてたんですかね。
王羲之の書を学んだのは間違いないと思うのですが、どういうアプローチで、最終的に法帖といわしめるまでの楷書を書けるようになったのか。
タイムマシンに乗って過去に戻り、学んでいるところを見てみたいですよね。
先生とかいたんでしょうかね。
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