書写検定1級勉強中の方向けに少し厳しいことを言ってしまう記事です。
硬筆・毛筆書写技能検定の1級は、合格すると「指導者として適格である」というお墨付きを、検定協会からいただけます。
それくらい1級というのは大変価値があり、同時に「1級合格者」としてのふさわしい人格が求められます。
1級合格は、精神修行でもある
1級合格、それは長い道のりです。
体に染みついてしまった我流を捨てるべく、築き上げられてきた古典の美をベースに、美的な感性をひたすら磨いていきます。
しかし、美的な感性を磨くというのは、言語化するのが難しいです。
例えば、
・どんな字形が美しいのか?
・文字の大小はどんなバランスが美しいのか?
・紙面に対してどういう配置が美しいのか?
・字間、行間は適切か?
・墨の潤滑は適切か?
・文字の太細は適切か?
・全体が調和しているか?
など、これらが美的な感性を磨く上で必要なキーワードになってくると思います。
これらをほぼ完ぺきに満たせている作品をまずは目で見て(目習い)、そしてそれをお手本にして自分で書いてみる(手習い)と良いと思います。
目習い(=見る力)、手習い(=書く力)の両輪を上手に回転させることで、美的な感性が磨かれていくと私は思っています。
美的な感性を磨くための方法を言葉で表現すると、結構簡単なように思えるのですが、これが本当に難しいんですよね。。。
難しいし謎ですし、自分で「良い!」と思ったものが先生的には「ダメ」だったりするし。
ただ1級合格のために言えることは、
1.あきらめずに挑戦し続ける
2.素直に吸収する
が大事だと思います。
特に2.が重要かも。
素直に吸収することの重要性
先生から、「あそこが悪い、ここが悪い」と悪いところをたくさん指摘されたときに、すぐに修正できることを”素直に吸収する”と私はいっています。
素直に吸収すればするほど、1級合格に近づきます。
悪いところが修正できていないのに、「1級合格できない!!」と嘆いていませんか?
それは、あなたに悪いところがあるから、当然合格もできないというわけです。
「いや、上手なところもあるだろう!そこを評価しろ!」
と言われるかもしれませんが、あいにくあなたが受験しようとしている級は最高位の1級でありますので、そういう幼稚なマインドは2級までしか通用しません。
1級合格のためには、”得点する考え方”というのが必要になってきます。 【書写能力診断テスト 第5期受付開始】受けてみた感想および自分の現在のレべルを知ることの重要性について という記事で、”得点する考え方”をまとめたので、よかったらご覧ください。
「いや、私は・俺はちゃんと悪いところを修正している!審査員が悪い!」
こういうことを言いだしてしまったら、あなたは感情的になってしまって物事を冷静に判断する能力に欠けてしまう方でありますので、もうこれ以上の成長は望めないですし指導者として不適格です。
人間というのは、こういう感情的になってしまう方から指導は受けたくないんですよね。感情的にならず冷静な方、むしろ相手の精神を上手にコントロールできる方というのが、指導者に向いています。
ということで、我が強いタイプの方、もしくは普段は穏やかなのに気に入らないことが起きると急に不機嫌になってしまうような方は、わざわざ嫌な思いをしてまで検定試験を受験する必要はなく、己の信じる書の道というものを突き進むか、そういったことを評価してくれる団体で活躍されたほうがよろしいかと思います。
「もう〇〇年もやっている!十分キレイ!合格して当然のはずだ!」
お気の毒ですが、年数だけ無駄に重ねて、努力の方向性が間違っていたということです。
でも安心してください、今からでも努力の方向性を修正することができます。
”正しい努力の仕方”は、専門学校のや先生の利用の仕方についてという記事でまとめたので、よかったらご覧ください。
「書写検定も結局は忖度のある試験だ!裏で手を組んだ受験生や団体が合格する!」
すみませんが、これは完全な嘘なんですね。
もしこれが本当だとしたら、
・どこの書道団体にも所属していない私が、
・書道の師弟関係の”悪き風習”を否定する私が、
毛筆書写検定1級を一発で合格することはあり得えないんですよ。
でも、実際に一発で合格しちゃってます。
私も一時期そういうことを疑っていましたが、「そうであってほしくない」という願いも込めて挑戦し続けました。結局、「忖度なし。完全実力勝負だ。」というのを私が身をもって証明してみせましたのでご参考ください。
何度受験しても合格しない原因は、何?
はっきり言うと、何度受験しても合格しない原因は、
”あなた以外”のところに原因は無く、”あなた以外”のところに原因を探したところで、見つかるはずがありません。原因は”あなた自身”の中にあるのですから。
と、ここまで正論をぶつけまくってしまうと、だいたいの方は気分を害すはずなので、いったんここで謝っておきます。気分を害してしまい申し訳ありません。
先生や他人から「あらお上手ですね~、おキレイですね~」と褒められて調子に乗っているようでは、1級合格は難しい
例えば1級合格を目指している人が、先生から・他人から「おキレイですね~」と褒められたところで、1級合格に近づいていなければ、褒められるということは全く無意味なんですね。
むしろ1ミリも褒められずに、「あそこが悪い、ここが悪い」とひたすら悪いところを指摘され、1級合格に近づいたほうが自分にとって良いことなんです。
「お上手ですね~」
「おキレイですね~」
と褒められて気分を良くしていませんか?
それはちゃんと、1級合格に近づいていますか?
自分を俯瞰して見てみましょう。
口をパクパク開けて、エサが与えられるのを待つヒナ鳥
いつまでエサを与え続けられるつもりですか。
エサを与えられても良いのは2級までです。
1級からは、エサを与えられるのではなく、むしろエサを与える立場を目指さないとダメです。
つまり、普段の勉強や練習を、受け身ではなく自分が主体となって・自らが進んで行えるようにならないとダメですよ、ということです。
自分で自分の課題を探す。自分で自分の悪いところを見つける。なぜそうなるのかを研究する。
表層的な結果だけに着目するのではなく、その向こう側にある本質を見つけようとする。
ちゃんとできていますか。
私もできていないときがあるので、自分への戒めとしても書いてみました。
まとめ
今回、ちょっと厳しいことを書いてしまいましたが、「1級受験者の方に必要なのは褒めることなのか?」それに対して疑問を持ったので、今回このような厳しめの記事を書いてみました。
2級受験レベルまでの方でしたら、私は相手を褒めまくりますよ。。。。安心してください。
1級受験者の方は、合格した時点で指導者となってしまうので、指導者という立場になっても困らないように結構厳しめに言っちゃいます。
厳しいは愛情です。愛情がなければそもそもこんなに言いません。
11月8日(日)の試験まで、もうそろそろですね。最後まであきらめずに頑張って挑戦し続けてください。
応援しています。
硬筆・毛筆書写検定受験のためのQ&Aサイト作りました
受験勉強をしていて、疑問点などを気軽に質問できるサイトがあったらいいなぁという私の経験談から、Q&Aサイトを作っちゃいました。
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