硬筆書写技能検定2級の横書きを例に、「こういうことをするとダメだよ」を挙げていきたいと思います。
今回添削する作品はこちら
文章量的に2級かと思います。
ではダメなポイントを指摘していきます。
※撮影が下手で、若干画像が歪んでしまっています。
1.左の余白が無さ過ぎる
特に左側の余白が無く、枠ギリギリに書きだしてますよね。
右側の余白も、空いている行もあれば、少しぎりぎりだったりと安定していません。
書き出しは1文字分空けて、左右の余白を0.5文字分空けてあげると、作品としての出来栄えが良くなります。
左側の余白は、書き出しのスタート位置を決めやすいので、ほぼほぼ揃えられると思います。
右側もなるべくそろえた方が良いのですが、結構難しいです。
具体的な難しさでいえば、例えば、
「余白的に厳しいけど、単語の切れ目だから無理やり書いちゃうか?」
「余白が大きくなってしまったから、字間を少し離して右側を無理やり揃えるか?」
こういった場合。
余白が厳しいのに無理やり書いて、字形を不自然に変形させてしまったり、不自然に字間がそこだけ離れてしまうのは、作品の出来栄えに影響がでてしまいます。
このような場合、無理やりそこに書こうとするのではなく、おとなしく改行し、次の行から書き始めた方が良いでしょう。
数字は改行NGですが、アルファベット(母音区切りでハイフン追加)、漢字、ひらがなは、単語の途中でも改行OKです。
「本来は揃えないといけないものだ」、という意識があればOKです。
2.字間が統一されていない
字と字との間隔を字間といいます。
この間隔が一定でないと、作品の出来栄えに大きく影響します。
例えば音楽は、一定のリズムで音が刻まれるからこそ心地よく聞こえますが、ランダムで音が刻まれたら、心地よく聞こえません。
それと同じで、文章というのは同じ間隔で書き進めなければなりません。
字間が一定にならない原因として、
①漢字とひらがなを、同じ間隔で書いてしまう
②その文字の横幅をイメージできていない
③そもそも一定に書こうとしていない
①~③が挙げられますが、今回はこの①に触れてみます。
漢字は画数が多く、漢字が並ぶと窮屈に見えがちです。
一方ひらがなは、画数が少ないので、並ぶとスカスカに見えがちです。
ですので、漢字に比べてひらがなは、思った以上に窮屈にさせることで、実は丁度いい字間となるわけです。
漢字はそこそこの字間、ひらがな窮屈にさせる、このバランスが、文章全体の字間に統一感を持たせます。
3.楷書のルールを知らない、丁寧に書いていない
もう少し細かいところまで見ていきましょう。
字の汚さはおいておいて、一番良くないのはこういうところです。
①楷書のルールをわかっていない
②丁寧に正確に書こうとしていない
①に関しては、例えば赤丸の接筆の部分ですね。
これは完全に行書の雰囲気です。今、書かなければならないのは”楷書”ですので、こういった楷書と行書の区別がついていない場合、「この人はわかっていないな」と、審査員の人に判断されて減点されてしまうわけです。
②に関しては、赤丸の点画が突き抜けてしまっている部分。
「私は丁寧に書くつもりもないし、人に見てもらうつもりもありませ~~~ん!!!」
という意図が伝わってきます。間違いなく減点です。
これは本当に良くないことですよ。意識ひとつで変わるところですので、点画が突き抜けないように丁寧に書いてください。
まとめ
ネタバレをすると、実はこの作品、私が硬筆書写技能検定の2級を受験する前に書いた、約2年前くらいの私の作品です。
私の作品なので、ボロクソに指摘してみました。
皆さんは、こういった作品を書かないように、横書きで求められている技能を意識して作品を仕上げましょう。
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