これまで硬筆や毛筆を学習してきましたが、過去の学習を振り返ると、自分に甘えていた時期は本当に上達が遅かったなぁと思いました。
「甘えると上達が遅れる」という事実に気づけたので、過去に甘えていた自分に感謝をします。
さて、今回は自分がどんな甘えをしてきたかをまとめたいと思います。
1.お手本とそっくりに書こうとしない
主に硬筆において、草書の練習をしていたときにお手本そっくりに書こうとしていませんでした。
自分はもともと、お手本そっくりに書こうとせず自分流にアレンジしてしまう性格(ただし古典形臨は除く)なのですが、それがあだになり、とにかく上達しませんでした。
今回は詳しくは触れませんが草書はもはや別言語なので、そっくりそのまま寸分の狂いなく、真似して書かないと意味の無い練習となってしまいます。
もしあなたがアラビア語を学習していて、アラビア語を書いてみよう!と思ったら、なるべく寸分の狂いなくそっくりに真似ようとしますよね。
太い所、細い所、長いところ、短いところ。
まっすぐな線、曲線。
ということで、1年ほどこういった練習をしていたので1ミリも上達しませんでした。本当に意味の無い時間でした。
2.”自分ルール”で書いてしまう
書写技能検定のお話です。硬筆、毛筆ともに、6級~1級まであり、それぞれに合格点が設定されています。
実技問題と理論問題と分かれており、理論問題は答えが決まっているので、それを書かなければ即バツにされてしまうのですが、実技に関しては正解が決まっていないのです。
実技は正解は決まっていませんが、書写のうえでのルールは決まっているので、それに則っていれば、”間違いではない”となるので、つまり合格点となるのです。
さて、この書写のうえでのルールはどれだけの人が守れて、書写技能検定試験に取り組めているでしょうか。
この試験は”書写技能”の試験です。書写のルールを守ることが大切です。
自分ルールで書いているようでは、いつまでたっても合格できません。
「いや、そんなこと勉強しなくても2級合格できたよ」
という人がいるかもしれませんが、それは2級の合格ボーダーラインが低いので、大きく減点されてもぎりぎり合格できただけのことなのです。
つまり、たまたま合格したということ。
そういった方が準1級、1級を受けようとすると、信じられないぐらい不合格を連発します。
それは、”書写のルール”を知らないで書いてしまうから。
ということで、自分ルールを捨てて書写のルールをしっかりと覚えることが大切なのです。
3.ただお手本を真似るだけ
お手本を真似るだけで字が上手くなるほど世の中は甘くなかったのです。いや、数年~十数年、お手本を真似るということを続けていれば、字は上手くなるかもしれません。
ただ、私みたいに短期間で上達を目指したいという目標がある人間は、お手本をただ真似るという練習方法は適切ではありませんでした。
・この部首はクビレのようなシルエットだとキレイに見える
・この部首が持つ長い横線は、左を長く、右を少し短くするとバランスよく見える
・この部首の接筆は、このように接するとキレイに見える
など、キレイに見せる、バランスよく見せるためにはどのように書いたらいいのか、それを自分で気づいて具体的に言語化していました。
部首ひとつひとつです。気の遠くなるような作業です。
当時、調子が悪いときは上手に書けなかったり、字粒が少しでも小さくなったり大きくなったりすると途端に下手な字になっちゃうことがあったのですが、こういった学習をすることで、どんな時でもどんな場面でも、ほぼほぼ安定した字を書くことができるようになりました。
気が遠くなるような作業でしたが、今考えれば、それが上達のうえでの最短の近道だったんだな、と気づかされました。
まとめ
字の上達だけでなく、何事においても自分に甘えた分だけその上達が遅れると思います。
別に上達を目指していないということであればいくらでも自分に甘えてよいと思いますが、もしそうでない不本意な状態にある方がいたら、今回の記事を参考にしてみてください。
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