見えないものが見えるって、幽霊が見えるわけではありません。
正しくは、普通は気づかないようなところも気づけるという言い方が正しいです。
「お手本をよく見なさい」
お手本をよく見ることは重要なのですが、それ以上に重要なのは、「どこをどう見たらいいのか?」なのです。
例えば、
・その点画は長いのか、短いのか
・強い右上がりなのか否か
・その左払いと右払いは、どちらが下に長いのか
とか。
どこをどう見たらいいのかわからない場合、そもそもこういったことに気づかないから、お手本をただ見るだけで終わってしまいます。
かっこよく言うと、”論点”
例えば、「書」という字の2画目の横画を書く時、
その点画は・・・・
論点1「起筆を作るのか?作らないのか?」
論点2「長いのか?短いのか?」
論点3「太いのか?細いのか?」
論点4「直線的なのか?反るのか?伏せるのか?」
論点5「収筆をするのか?しないのか?」
これら論点に決着をつけて、”書”の2画目の横画が出来上がります。
論点がわかっていても、体が追いつかない
頭の中に論点をつめこんだところで、実際に体がそれを表現できなければ、上手に書くことはできません。
これが、書道やペン習字の難しいところですね。
スポーツにおいて正しいフォームを会得すべく”素振り”をするように、やはりそれに近いことをしなければなりません。
つまり、実際に筆を握ったり、ペンを握ったりして、とにかく書く!ということです。
すぐに身につく魔法のような方法なんてありません。
「覚えたのに、上手に書けない!!!」という方は、こういった現実を知る必要があります。
正しいフォームに共通すること ”力を抜く”
おそらく、すべてのスポーツにおいて正しいフォームに共通することは、”力を抜く”ことだと思います。
上級者になればなるほど、”軽やか”でありながら”力強い”というふうに見えませんか。
私は、この”力を抜く”というのが上達するための重大なヒントのような気がしてなりません。
私は、ボールペンや筆を握るときは、本当に最小限の力だけで済ませています。
ボールペンの先端を一週間でぶっ壊してしまうほど、もともと物凄い筆圧が強い&強く握っていたのですが、つけペンで練習していた時期に、無駄な力が全て抜けました。
上達に悩んでいる方は、この”力を抜く”というのも意識してみましょう。
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