毛筆書写技能検定準1級・1級の第1問は、楷書・行書・草書を書き分ける問題です。
楷書・行書はなんとなく書ける人でも、やはり草書を書くのはとても難しいです。
そもそも草書の骨自体を覚えるのが大変なのに、そこに筆遣いや太・細も考えなければなりません。
草書の難しさは、なんといっても
”書いているときに、一度にいろんなことを考えなければならない”
ということに難しさがあると思います。
もちろん、楷書や行書もそういう難しさがあります。
でも、草書って点画を構成していくときに、”休める場所”が少なく、点画が連続することが多いんですよね。
頭の中で”次はこういう点画を書こう”と準備する時間がとても少ないから、難しく感じます。
草書を貧弱にみせないために
草書を書き慣れていない人が草書を書くと、
”ヒョッロヒョロの点画”
”ずーっと同じ太さの点画”
になりがちです。
ちなみに私は、ヒョロヒョロの点画になるパターンでした。
ですので、ひたすら智永の「真草千字文」を臨書してました。
智永の「真草千字文」の特徴は、楷書と草書が肉厚な書風で書かれています。
つまり、太い。
内包する空間を「これでもか!!」とせまくしています。
かといって全て太くなっているわけではなく、太くしてはいけないところは太くしていないのです。
この太・細の感覚を身につけるために、智永の「真草千字文」をおすすめしています。
智永の「真草千字文」は、お手本にされることを意識して書かれているので、草書の特徴の一つである”変化”は抑え気味に書かれています。
とても落ち着いた草書です。
そういう意味では、毛筆書写技能検定の第1問向けの草書だと思います。