筆に墨汁をたっぷりつけると、紙がにじんでしまうことはありませんか。
これには理由があります。
今回は、「紙をにじませないためにはどうしたらいい?」という人向けに書いていきます。
紙をにじませないためのアプローチとして、2通り挙げられます。
・紙を替える
・墨汁を替える
です。
紙編、墨汁編と記事を分けていますので、ぜひ2つとも読んでみてください。
今回は墨汁編です。
墨汁の原料は、大きく分けて「樹脂系」と「膠系」の2つに分かれます。
この「樹脂系」と「膠系」については、紙のにじみにそれほど大きな影響を与えませんので、今回は墨汁の「濃度」に着目していきたいと思います。
墨汁には「濃度」という概念がある
墨汁には、サラサラしている薄い墨汁と、ネットリと濃い墨汁があるのをご存知でしたでしょうか。
100円均一で販売されているような墨汁は、安価にするべくかなり薄めてますので、非常にサラサラしています。
少し価格帯を上げていくと、濃い墨汁を購入できます。
薄い墨汁は「にじむ」、濃い墨汁は「にじまない」と思っておけばよい
薄い墨汁は、紙の繊維を伝っていきやすいので、それがにじみの要因となります。
反対に濃い墨汁は、紙の繊維を伝いづらい(その場にとどまる)ので、にじみにくいです。
墨汁を購入するときの、薄い・濃いの見分け方は?
一番濃い墨汁は、超濃墨と呼ばれていたりします。
薄いものは墨液、普通濃度と呼ばれていたりします。
一般的には以下4段階に分かれます。
濃い 薄い
超濃墨 濃墨 中濃墨 墨液
それでは、にじませないためには超濃墨を選んでおけば正解?
そういうわけではないのです。
確かに超濃墨を選べば、にじみは完全におさえることができるのですが、今度は「筆が動かしづらい」というデメリットが発生します。
超濃墨は、とにかくネットリしているので、ビックリするくらい筆が重くなり、そして動かしづらく、すぐにカスれが生じます。
子ども用としては少し不適格です。
ですので、私のオススメは濃墨~中濃墨の間くらいの濃度です。
濃墨を購入して、水で少し薄めてあげたくらいがちょうどいいです。
紙がにじみにくいものであれば、普通濃度~中濃墨で丁度良い
紙に関しては紙編を参考にしてください。
にじみにくい紙であれば、墨汁の濃度は普通濃度~中濃墨で十分です。
これくらいの濃度であれば、先に挙げたデメリットは発生しづらく、快適に筆を動かすことができます。
結局、墨汁は何を選べば正解?
墨汁のブランドはどれでもよく、とにかく濃度に気を付けてください。
・紙が指定されてしまっていて、それがにじみやすい紙であれば、濃墨~中濃墨
・にじみにくい紙を選べるのであれば、普通濃度~中濃墨
先生は墨汁をどこで購入しているの?
いつも楽天で購入しており、特に下記2サイトで購入しています。
・魁盛堂(かいせいどう)
https://www.rakuten.co.jp/kaiseidou/
・東方交易(とうほうこうえき)
https://www.rakuten.co.jp/touhoukoueki/
ぜひ紙編と合わせて記事を読んでみてください。
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